第31回直木賞『終身未決囚』有馬頼義
書籍見つからず、探し中〜
第32回直木賞『ボロ家の春秋』梅崎春生。なんで自分がこのボロ家に、もう一人の居候と一緒に住む羽目になったかを、回想を語るという形で。基本口語だからか、とても読みやすい。「です」「だ」語尾を意図的に混ぜて、リズム感を生んでる感じ。
(2020,4,7)
第32回直木賞『高安犬物語』戸川幸夫。
絶滅してしまったと言われる高安犬を求めて、山形の奥地に入る。飼い主から貰い受けた老いた高安犬。もうその辺りから痛々しい(ノンフィクションなのだろうと思う)。飼い主から離したらあかん〜〜〜〜〜!と読んでる人は心で叫ぶだろう。病気を治すためという大義名分があるとはいえ、高安犬を手元に置きたいというマニアの熱狂的な気持ちからの行動が、最後まで痛々しい結果を引き起こして…辛い話。
※戸川さんは動物学に傾倒していた。
「イリオモテヤマネコ」の命名者でもある。
(2020,4,7)
第33回直木賞、該当なし
第34回直木賞『強力伝』新田次郎。風景指示盤にするための大きな岩(180キロ!?)を担いで白馬山頂へ運ぶ男。痛々しい…。なんか、痛々しさが一番伝わってきました。読んでから実在の人物を描いたと知りびっくり。2作続けて痛々しい話の直木賞だけど、自分が体験できないような痛々しさを本の中で擬似体験するのも娯楽なのかのう
(2020,4,29)
第34回直木賞『香港』邱永漢。
職を求めて香港へ。人を頼ってどん底からの生活。警察に捕まったり色々あって、やがて希望の光が見えたかに思えたが。悪どい商売の果てに、分かりきった最悪の事態が始まるところで物語は終わります。物語としては面白く読めました!(2022,11,4)
第35回直木賞『壁の花』今官一
書籍見つからず( ; ; )
第35回直木賞『燈台鬼』南條範夫。遣唐使として唐に渡ったまま帰らぬ父を探すため、自らも遣唐使となった息子。燈台というのは蝋燭を灯すアレなのですが、これを人間にさせたものが「燈台鬼」なのです。父と子がどのように再会するのか、これは読んでいただきたいなあ。読み物として面白かったです。
(2022,11,4)
第36回直木賞『お吟さま』今東光。や〜〜〜〜〜〜〜〜、読みにくさNo. 1…「御召し換えやら、御入浴と御介添いたしますうちに、御むつびあう御間柄となって」と全て言葉に御がつく、時代小説です。安土桃山時代。言葉遣いも分かりやすくはなく…私もあわや数ページで挫折するかと思いました。放り出そうと、思いました。手がかりを求めて解説を読みました。そこで、この物語の主人公は千利休の娘であること、語り手はその侍女であること、悲恋に生きて最後は自害の道を選ぶこと、などの情報を得てやっと読み進めることが出来たのですが。
放り出さなくて良かった!!!
涙ぐみながら読んじゃった!
そういえば利休と娘の話は第3回直木賞もそうだったねえ。(2022,11,22)
第31回芥川賞『驟雨』吉行淳之介。世間擦れしていないような娼婦に、だんだんと本気になっていく自分を自分でも持て余しているような男。男と女の会話が含みがありおしゃれな感じもする。とてもモテた作家さんらしい。面白く読みました。
(2020,1,5)
第32回芥川賞『アメリカン・スクール』小島信夫。爽やかなタイトル、と思ったけれど内容は。戦後の英語教師たちがアメリカンスクールを見学に訪れる。全く英語を話せない教師、使いこなせる事が得意でたまらない教師、劣等感と優越感、日本人とアメリカ人、当時はこんな事もあったのかなあ?やっぱり芥川賞らしく、人間のそういうトコの話。
(2020,3,8)
第32回芥川賞『プールサイド小景』庄野潤三。プールサイドの穏やかな情景から始まる。幸せそうな親子連れ、その背後にある、誰にも見えない事実。最後もまたプールサイドの情景で終わるが、謎めいて不気味。シンプルで読みやすい、良作と思う。(2020,3,20)
第33回芥川賞『白い人』遠藤周作。ごめんなさい!!斜め読みしてしまいました。私にはどうも…ダメでした。遠藤周作の他の作品ならいいのかな、わかんない。(私にとっての)本を読む喜び、とは対極にあるもの。でも、だからと言ってつまらない作品て事じゃないと思う。きっと素晴らしい作品なのだ…(2020,4,29)
第34回芥川賞『太陽の季節』石原慎太郎。名前だけは知ってる!映画になったやつ!この小説、倫理的に問題になったらしいけど、今までもそんなんいっぱいあったじゃん?映画の方は映倫がその形を変えるきっかけにもなったらしい。奔放な事をかっこいいと信じた若者達の痛々しい恋の季節。でもね、一番の見所ってヒロインの内面だと思うのね。多分映画では描ききれないところだと思うよ。映画と小説の印象が違うのはあたり前だけど(2020,4,29)
第35回芥川賞『海人舟(あまぶね)』近藤啓太郎。村で一番の海人になったら結婚してあげてもいい。もうそこから、あ、絶対アンハッピーエンドじゃん…て思うから、もう見ていられない気持ちになるんだけど、うまく覆していただいた。一つの定型?とも思えるんだけど、読後感が悪くないからそれでいいや。
(2020,4,29)
第36回芥川賞、該当なし
第37回芥川賞『硫黄島』菊村到。終戦後も硫黄島にしばらく潜んでいたという日本兵の、心の葛藤のお話。きっとたくさんこういう人がいて、誰かが文章にして昇華させなければいけなかったんだろうな…
(2020,5,5)
第38回芥川賞『裸の王様』開高健。絵画教室の先生と、なかなか心を開かない生徒、その家庭にある問題などなど…。私、この物語が、なんだかとても良い物のような気がする。変に文章のクセもなく読みやすく、技巧に走り過ぎない隠喩とか、心が言動に表出したところを見せてくれるやり方とか、開高健ってすごいなー
(2020,6,9)
第39回芥川賞『飼育』大江健三郎。貧村に落ちた敵機から、黒人の捕虜を回収し“飼育”する。子供たちと心が通い合っていくかに思えたが…。ごめんなさい、綺麗なものだけを読んでいたいわけじゃないけど、こと小説においては「ご飯食べながらでも読める」ようなものが読みたい、という私の我儘…
(2020,6,11)